初稿697字が、557字になりました
申込をいただいたときに自動で返るメールです。AIの初稿は697字。完成は557字。消した字数より、消した理由のほうに価値があります。
10回のうち、いちばん大きかった直しを先に書きます。
初稿にはこう書いてありました。「写真をもらえたら中身入りにします。届かなければ見本を入れた形でお送りします」。親切に見えます。この1文が、申込5件が止まった原因そのものでした。
親切が、逃げ道になっていました
御社専用の道具を作るには、御社の実物が要ります。いま使っている見積書の1枚、実際に来たメールの1通。それが届かないと、見本の数字が入ったままの物しか作れません。
なのにAIは「届かなくても作ります」と書きました。相手の負担を下げたつもりです。実際には、送らなくていい理由を用意していました。送らなくていいと言われた人は、送りません。届かないので、専用の物は作れません。作れないので、次に進みません。
直した形は1行です。「それが届いた時点で、作り始めます」。逃げ道を消しました。
残りの9回は、3種類でした
10回のダメ出しを並べると、3つに分かれました。
1つ目、聞かれていないことに答えている。「こちらから電話をかけることはありません」「私の会社には社員がいません」。相手は聞いていません。しかも「電話」と書くと、電話の存在を思い出させます。全部削りました。4回がこれでした。
2つ目、相手が知らない前提を指している。「見本の数字が入ったままになります」。相手はまだ見本を見ていません。「何の数字?」で止まります。
3つ目、決めたことを文章で薄めている。「先に実物をもらう」と決めた翌日の初稿に、「作ってから待つ」の名残が残っていました。文章は通っていたのに、設計が戻っていました。
どれも、日本語の間違いではありません。商売の間違いです。
検品は、誰がやるのか
ここが、御社に関係のある話です。
AIが文章を書く時代に、社長の仕事は書くことではなくなりました。出てきたものを、商売として通っているか見ることです。この10回は、私にしかできませんでした。「写真が来なくても作ります」が逃げ道になることは、うちの申込が5件止まっている事実を知っている人にしか分かりません。
AIは誰でも使えます。型は、御社にしかありません。この10回は、その型のほうの仕事でした。
なお、その10回を経た557字は、いまも毎日動いています。もう直していません。
御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)
費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。
御社の消せる作業を、書き出してもらうそれでは、ご連絡をおまちしております。
追伸
この記事の初稿にも、AIが「聞かれていないこと」を1つ書いていました。消しました。11回目です。
追伸2
御社の自動返信や案内メールに「届かなくても」「なくても大丈夫です」の一文があれば、それは相手の床を下げているのではなく、動かない理由を渡しています。1文消すだけで、届く物が変わります。
よくある3つ
Q. AIが書いた文章は、そのまま使えますか。
A. 日本語としては、ほぼそのまま通ります。書き手が自動返信1通に入れた10回のダメ出しは、全部日本語ではなく商売の間違いでした。聞かれていないことに答える、相手が知らない前提を指す、決めた設計を文章で薄める、の3種類です。
Q. いちばん大きかった直しは何ですか。
A. 「写真が来なくても作ります」の1文を消したことです。親切のつもりの逃げ道が、実物が届かない理由になり、申込5件が止まっていました。「それが届いた時点で、作り始めます」に直しました。
Q. AIの文章の検品は、誰がやればいいですか。
A. 社長です。文章が商売として通っているかは、その会社の事情を知っている人にしか判断できません。AIは誰でも使えますが、型はその会社にしかありません。
実物の記録
この記事と同じで、うちで実際に起きたことだけを書いた記事です。
作った本人にしか分からないページを、5社に送っていました
壊れたまま、印刷所を通過しました。
「もう一回」が、何回でも言える。