なぜ作ったか
うちには社員がいません。電話は私が出ます。出られなければ、それで終わりです。
実態を書くと、これまでの電話は留守番電話に直行していました。留守番電話に用件を残す人は、ほとんどいません。切られて終わりです。つまり、うちの電話は、かかってきた分のほとんどが無かったことになっていました。
それで、AIに出てもらうことにしました。作ったのは私です。作り始めたのが8月30日、鳴ったのが9月7日です。
AIは、初日に動きました
先に言っておきます。AIの部分は、初日に動きました。声で話し、用件を聞き、名前を聞き、折り返し先を確かめて、要約を私にメールで送る。ここまでが1日です。
8日のうち7日は、電話線の話です。
- 8月30日
- 作り始める。AIの応答は同日に動く
- 8月31日
- 転送の設定に来てもらう。通らず、その場で解約
- 9月1日
- 留守番電話を「つながった」と数えていた穴を見つける
- 9月2日〜6日
- 番号の審査。住所の証明で2度止まる
- 9月7日
- 番号が来る。鳴らして直す、を十数回。夕方から本番
1日目に詰まったのは、転送でした
最初の設計は、自宅の固定電話にかかってきた電話を、回線会社の転送でAIの番号に流すものでした。転送の設定に本人確認が要り、担当の方に自宅まで来てもらいました。設定の機械が通りませんでした。翌日以降は月額が発生する。翌日来てもらっても、通るかどうか分からない。
その場で解約しました。転送を頼むために来てもらって、解約して終わりました。
帰ってから気づいたのは、転送という部品が丸ごと要らなかったことです。AIが受ける番号を、そのまま公開すればいい。この話は「AIエージェントで詰まるのは、AIではありません。」に書いたので、ここでは繰り返しません。悪いのは設計をした私で、回線会社の話ではありません。
2日目に見つけた穴は、いちばん危ないものでした
私の携帯に回す仕組みを試していたときです。私は出ていないのに、「48秒つながりました」という通知が来ました。
留守番電話が出ると、仕組みは「つながった」と数えていました。これがいちばん危ない穴でした。子どもの学校からの急ぎが留守番電話に落ちたのに、「つながりました」と報告されます。対応した気になって、誰も出ていない。
直し方は単純でした。つながったかどうかを、機械の判定ではなく、私が電話機の「1」を押したかで決める。留守番電話は、1を押せません。これで、出られなかったときは「出られませんでした」と来るようになりました。
8日目に直したのは、私の名前の読み方でした
番号が来て、実際に鳴らしてみると、細かい穴が続けて出ました。
出た瞬間に「ピピッ」と鳴る。AIがそれを相手の声だと思って、名乗りを2秒で止める。調べると、こちらの音ではなく回線側の接続音でした。消せないので、名乗りを1.3秒待ってから始めるようにしました。
AIが私の名前を「わたべ」と読む。読みを教えても、漢字を喋る瞬間に間違えます。AIが声に出す文の「渡部」を、11か所すべて「わたなべ」と仮名に直しました。
こういう直しを、9月7日の夕方だけで十数回やっています。全部、鳴らしてみないと分からないものでした。
いま、どう出ているか
かけると、1.3秒後に名乗ります。返事までの間は0〜3秒です。用件を聞いて、名前を聞いて、折り返しは今の番号でいいかを確かめて、切ります。営業のお電話は、名乗りの時点で20秒ほどで切ります。
私には、通話ごとに要約が1通届きます。相談や急ぎのときは、携帯に短いメッセージが飛びます。誰から何が来たかは、1行ずつ台帳に残ります。
声は7種類を録って比べました。選んだ基準は「受付らしいか」ではなく「人だと思うか」です。
名刺やサイトには「電話 03-6899-5338(24時間受付)」とだけ書いています。「AI受付」とは書きません。そう書くと、番号を押させてたらい回しにする自動音声と同じ棚に置かれるからです。うちのは、その真逆です。かわりに、記事ではこうして全部書きます。
社長にとって、何が変わるか
変わるのは「電話が楽になる」ではありません。無かったことになっていた電話が、あったことになります。
留守番電話に落ちていた分が、用件つきで手元に来ます。営業の電話を人が受けなくなります。取る前に誰からか分かります。社員が1人で電話番をしている会社なら、その1人が電話番でなくなります。
そして、うちで8日かかった理由の大半は、電話線と本人確認でした。AIの側は初日で動いています。ここは、たぶん御社でも同じです。
うちがやっていること
ここからは自分の話なので、不要な方は飛ばしてください。
対象:社員10〜30名の中小企業
形態:実装して納品する型(研修はしません)
費用:AI顧問が月額110,000円(税込)から。会社ごと入れる企業導入が初期150万〜300万円+月額11万円から、実装は2週間〜1か月。中身はこちら
今日書いた電話も、特別な道具は使っていません。うちで毎日動いているものの1つです。私がやっているのは、届いた要約を読むことだけです。
御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)
費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。
御社の消せる作業を、書き出してもらうそれでは、ご連絡をおまちしております。
追伸
番号を公開しているのは、記事で「動いています」と書くより、かけてもらったほうが早いからです。かけていただいた電話は、私が要約で全部読みます。営業のお電話は、20秒で切られます(本当です)。
追伸2
8日間でいちばん高くついたのは、要らない部品を前提に設計していた時間でした。2番目は、「つながった」を疑わなかった1日です。どちらも、AIの問題ではありませんでした。
よくある3つ
Q. 電話をAIに受けさせるのに、何日かかりますか。
A. うちは8日でした。AIの部分は初日に動いています。残りは番号の取得、本人確認、回線の都合で、ここは会社ごとに違います。
Q. AIが出ると、相手は嫌がりませんか。
A. 比べる相手が留守番電話なら、出たほうが残ります。声は「受付らしい声」ではなく「人だと思う声」を選びました。営業のお電話は名乗りの時点で切るので、人が受けていたときより短く済んでいます。
Q. 急ぎの電話は、どうなりますか。
A. 相談や急ぎと判断したものは、私の携帯にその場で短いメッセージが飛びます。「つながった」の判定は、私が電話機の1を押したかで決めています。留守番電話は1を押せないので、出ていないのに出たことになる穴は塞いであります。
実物の記録
この記事と同じで、うちで実際に起きたことだけを書いた記事です。
AIエージェントで詰まるのは、AIではありません。
AIを入れる場所は、たまっているところです。
「まず無料相談30分」は、御社の30分です。