代表・渡部純一の記事

頼み先は、
3つしかありません。

社員10〜30人。AIを入れたいが、どこに頼むのが正解なのか分からない。——この数週間で、私は社長7人に1時間ずつ話を聞いてきました。売り込まない約束で、お金を払って、聞く側に回りました。

分かったのは、頼み先の候補が足りないのではない、ということでした。長くなるので、違うと思われたら途中で閉じていただいて結構です。

2026.08.30|株式会社サマーウインド 渡部純一

ただ、その前に
決まっていないものがあります。

先に、3つを書きます

まず結論から言います。AI導入を頼める先は、大きく3つです。そして3つとも、同じ条件で効かなくなります。

1つ目は、大手のシステム会社やコンサルティング会社。全社の計画づくりから入ります。実績も人数もあります。ただし社員10〜30人の会社だと、計画ができあがった時点で予算を使い切ります。

2つ目は、AIツールを売っている会社。導入は速いです。契約すれば来週から使えます。ただし道具が入ることと、使われることは別の話です。ここは後で詳しく書きます。

3つ目は、実際に作る人。受託の開発会社か、個人です。うちはここです。社員10〜30人の会社に合うのはここですが、当たり外れがいちばん大きいのもここです。だから選ぶ基準を、この記事の後半に書きます。

相場も書いておきます。実装まで面倒を見てもらう場合、初期に数百万円、その後の保守が月30万円くらいからというのが、いま私が見ている範囲での相場です。

——ここまでが、検索して出てくる話です。おそらく、もうご存じだと思います。そして、ご存じでもまだ決まっていないはずです。理由を書きます。

それでも決まらないのは、なぜか

3つ並べても、たぶん決まりません。私も決まりませんでした。

理由は1つです。

「どこに頼むか」で迷っている会社は、「何を頼むか」がまだ決まっていません。

頼むことが1つに決まっていれば、頼み先は自動的に絞れます。「先月分の請求書を作るところを自動にしたい」と決まっていれば、それができる人かどうかは30分話せば分かります。決まっていないと、どこに聞いても「まずは現状を整理しましょう」と言われて、そこで止まります。

止まった状態でいちばん起きやすいのが、道具だけ買うことです。

7人に共通していたこと

話を聞いた7人は、業種もばらばら、規模もばらばらでした。AIを毎日使い倒している人もいれば、危ないから一切使っていないという人もいました。

それでも、共通していたことが3つありました。

1つ目。道具は、もう入っていました。契約はしてある。アカウントも配ってある。それなのに使われていない。この形が、いちばん多かったです。使わない側が悪いという話ではありません。道具は入れた瞬間から誰かの仕事を増やすので、増えたぶんを引き受ける理由がなければ、使われないほうが自然です。

2つ目。上から「AIでなんとかして」と言われている人が、けっこういました。言った側も、何をどうしてほしいのかは決まっていません。指示は降りてくるのに、中身が入っていない。これで動ける人はいません。

3つ目。教わった人が、作れるようにはなっていませんでした。お金を出して講座に通った方が何人かいました。手順は分かる。けれど、自分の会社の仕事をゼロから形にしようとすると、途中で止まる。習ったのは操作で、必要だったのは設計だった、ということだと思います。

この3つは、頼み先を変えても直りません。3つとも「何を頼むか」が決まっていないところから出ています。

決め方は、1つだけです

では何から決めるか。私は1つしか勧めていません。

いま社内で、いちばん「たまっている」ものを選んでください。

目安は3つあります。①誰かが量を数えている(「50件くらい残ってる」と言える)。②期限がもう過ぎている。③人を増やしても、過去のぶんは片づかない。

この3つが揃っているものが、いちばん効きます。理由は単純で、たまった量が多いほどAIが有利だからです。人は1件ずつしか処理できません。AIは全部同時に触れます。10件なら人のほうが速いこともありますが、300件だと勝負になりません。

逆に、私がお勧めしないのは「全社のDX計画から」です。決まらないので。

それと、いちばん困っている人が言葉にしていないものも避けたほうがいいです。社長が「たぶんここが非効率だと思う」と言っている場所と、現場が実際に残業している場所は、だいたいずれています。

契約の前に、4つ聞いてください

頼むことが決まったら、次が相手選びです。この4つは、契約の前に口頭で聞いてください。うちに対しても、同じように聞いてください。

1. その会社は、自分の商売でAIを使っていますか。
人に導入を勧めている会社が、自社では使っていないことがあります。使っていれば、必ず具体的な話が出ます。出てこなければ、そういうことです。

2. うまくいかなかった話を、具体的にできますか。
成功事例はどこでも出てきます。聞くべきは失敗のほうです。実際に手を動かしている人は、失敗を具体的に、しかも淡々と話します。ここで言葉が濁る相手は、まだ数をやっていません。

3. 契約が終わったあと、作ったものは自社に残りますか。
月額を払っている間だけ動いて、やめた瞬間に全部消えるつくりがあります。悪いとは言いませんが、それは道具の賃料であって、資産にはなりません。先に確かめてください。

4. 社員が毎日入力しないと、動かない仕組みではありませんか。
ここがいちばん見落とされます。入力を前提にした仕組みは、最初の1か月は動いて、3か月目に止まります。誰も悪くないのに止まります。入力を増やす提案が出てきたら、一度止めて考え直したほうがいいです。

4つとも、契約の前に聞けます。資料は要りません。

うちがやっていること

ここからは自分の話なので、不要な方は飛ばしてください。

私は社員がいません。25年ネットで商売をしてきて、いまは4つの会社を1人で回しています。実装も全部自分でやります。だから上の4つは、全部自分に返ってくる質問です。

社員10〜30名の会社に、会社ごとAIを入れる仕事をお受けしています。法人契約、社員のアカウント、社内データとの接続、権限の設計、安全柵、学習させない設定まで。初期150万〜300万円、月額の保守が11万円から、実装は2週間から1か月です。中身はこちらに書いてあります

もっと小さく始めたい場合は、月額110,000円(税込)からのAI顧問があります。毎月やることは2つで、AIに渡す仕事を1つ増やすことと、先月までに渡したものが今月も動いているかを見ることです。

結ばない契約も、先に書いておきます。24時間対応と、障害対応のSLAです。夜中に電話が鳴る契約はしません。そのぶんの時間を、昼間に動くものを増やすほうに使っています。

御社のサイトを拝見して、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は、今日お送りします。メール1通です。(AIは、営業日を知りません)

費用はかかりません。ご用意いただくものもありません。読んで違うと思われたら、そのままで結構です。私が1人で全部やるので、月5社までとさせていただいています。

御社の消せる作業を、書き出してもらう

それでは、ご連絡をおまちしております。

追伸

7人に話を聞きに行ったのは、売るためではありません。私が分かっていないことを知るためでした。実際、いちばん効いた質問は最後の1つでした。

「今日話してみて、私がいちばん分かっていないと思ったのはどこですか」

これを聞くと、相手が教える側に回ります。そこから先に出てくる話が、いちばん役に立ちました。御社が業者を選ぶときも、同じ質問が使えます。「うちの業界で、いちばん分かっていないことは何だと思いますか」。答えられない相手は、たぶん御社の仕事を見ていません。

もう1つだけ。この記事を読んで「まずは相談してみよう」と思われたなら、その前に1つだけ決めてください。たまっているものを、1つ。それが決まっていれば、どこに相談しても話が進みます。決まっていなければ、うちに来ていただいても、たぶん進みません。

よくある4つ

Q. 社員10〜30人の会社は、AI導入をどこに頼めばいいですか。
A. 大きく3つです。大手のシステム会社・コンサルティング会社(費用の桁が合わないことが多い)、AIツールを売っている会社(道具は入るが使われるかは別)、実際に作る人(小さい会社にはここが合う)。ただしその前に、何を頼むかを1つに決めてください。決まっていないと、どこに頼んでも同じところで止まります。

Q. AI導入支援の会社は、どうやって選べばいいですか。
A. 契約の前に4つ聞いてください。①自分の商売でAIを使っているか ②うまくいかなかった話を具体的にできるか ③契約が終わったあと、作ったものは自社に残るか ④社員が毎日入力しないと動かない仕組みではないか。全部、口頭で聞けば分かります。

Q. 何を頼めばいいか、自分でも分かっていません。
A. その状態が普通です。いちばん「たまっている」ものを1つ選んでください。誰かが量を数えていて、期限がもう過ぎていて、人を増やしても過去分は片づかないもの。請求や入金の確認、問い合わせの返事、書類の作成が多いです。全体の計画から入ると決まりません。

Q. 費用はどれくらいですか。
A. 弊社はAI顧問が月額110,000円(税込)から、企業導入が初期150万〜300万円+月額11万円から、実装は2週間から1か月です。業界の相場は、実装まで含めると初期数百万円・保守が月30万円くらいからです。お申し込みいただければ、御社のサイトを見て、いま消せる作業を5つ書き出します。1つ目は当日お送りします。ここまでは費用はかかりません。

実物の記録

この記事と同じで、うちで実際に起きたことだけを書いた記事です。

AI導入で失敗する会社が、共通して買っていたもの
止まっても、誰も教えてくれません
教える人と、使っている人は別です

書いた人

渡部純一(株式会社サマーウインド 代表取締役)。ネット商売25年、累計売上80億円。著書3冊、うち2冊が続けてAmazon総合1位。現在は社員ゼロ・AIだけで自社を経営しながら、中小企業向けのAI顧問「AI経営参謀」を月5社まで。